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靱公園に新集客スポットが誕生!?管理運営を民間に委託か?12改革案を検討へ!

靱公園に民間活力導入 関西での暮らし

大阪市は靱公園の管理運営を民間企業に託し、公園全体の魅力を向上させて集客につなげる計画を考えているようです。
いわゆる民間活力(民活)の導入で、将来的に靱公園を民営化する模様。
民間企業からの12件の提案を受け、今後実現に向けて検討していくとのことです。

他の公園ではすでにこの民活を導入している事例があり、天王寺公園の「てんしば」のにぎわいはニュースになるほどですよね?

今後計画が実現された場合、靱公園はどのように生まれ変わるのでしょうか?
人気の集客スポットになるのでしょうか?

現段階での参加希望企業から提示された案を紹介したいと思います。
靱公園の未来図はどんな感じになる?
明るい未来が待っているのでしょうか。
いやあ、昔の暗黒時代の靱公園が嘘のようですな…。

靱公園の歴史など基本情報については次の記事を参考に。
靱公園とは?東京人が知らない大阪の街を探訪

靱公園改革案

大阪市は2019年8月に靱公園を含む11公園について、今後どのように活用していくべきかの意見を民間から募集しました。
靱公園に関する提案内容は基本的には自由ですが、バラ園をなくさないことが条件だったようです。
結果、靱公園は一番多い12件の提案を受け、この公園が持つポテンシャルに対する期待感が表れたといえましょう。

12件の提案内容は、大きく分けると以下の4つに分類できます。
①新施設の設置
②公園機能の改善
③各種イベントの実施
④テニスコートの改修

ではこの分類ごとに、靱公園の管理運営に参加したいと考えている民間企業が出した具体的な提案を見ていきましょう。

新施設の設置

やはり提案として多かったのは、新しい施設を設置したい、というもの。
管理運営企業としてはその施設で何かを販売すれば、手っ取り早く儲けられますからね。
また靱公園が変わった!ということを示すためにもランドマーク的なものが必要なのでしょう。

では具体的にはどのような施設を造りたいのか?
以下にそれぞれの案を示します。

飲食店

新施設の設置案の中で多かったのが、飲食店です。
バラ園を望むエリアなどにおしゃれな飲食店を建設し、にぎわいを創出しようというもの。
これは「てんしば」や大阪城公園の「JO-TERRACE OSAKA」などの先行事例を見れば、靱公園でも同様に成功すると考えてのことでしょう。

大阪天王寺公園エントランスエリア“てんしば”
芝生広場を中心とした天王寺公園エントランスエリア“てんしば”と天王寺動物園ゲートエリアに位置する“てんしばi:na(イーナ)”は、カフェやレストラン、フットサルコート、ドッグランなど様々な店舗が並ぶ憩いの場です。
店舗情報 - JO-TERRACE OSAKA
大阪城公園駅前施設「JO-TERRACE」公式サイト。公園に訪れる人々のにぎわいと自然の静寂が大阪の新しい日常をつくり出します。

靱公園は広く散策するのが気持ちが良い場所ですが、園内には飲食店がありません。
バラが咲き乱れる風景を見ながら、美味しいコーヒーを味わう。
テニスの試合を観戦しながら、ランチを優雅に。
飲食店を設置する提案は、なかなか良いとは思います。

しかしながら靱公園周辺は、言わずと知れたイタリアンやフレンチの激戦区ですし、人気のケーキ屋やカフェも点在しています。

そのような環境下で、どのような飲食店を靱公園内に設置するのか?
差別化された特長のある飲食店ができるといいのですが。
たとえば、靱公園だけに魚のウツボ料理専門店とかね…。
まあでも結局は、「てんしば」や「JO-TERRACE OSAKA」と似たような飲食店ができるのでしょう。

スポーツ関連施設

スポーツ関連施設の設置案も多く見受けられました。
靱公園は国際大会も開かれる立派な設備のテニスコートがありますので、スポーツと親和性が高い公園です。
ジョギングをしている人も多くいますので、スポーツに興味を持つ人の割合が高い街だと思います。

具体的にはフィットネスやアスレチック施設などの提案です。
フィットネスは靱公園周辺はビジネス街ですので、会社帰りの会社員に需要がありそうです。
また近年このあたりはファミリー層の人口が増え、健康を気にするお父さんやお母さんなどにも人気が出ることでしょう。
アスレチック施設も子供を持つファミリー層にうけそうですね。

しかしこれも何だか「てんしば」と似たような施設になりそうです。
「てんしば」には、子供を対象にしたアスレチック施設があり、人気を博しています。
飲食店と同様、実現された場合これも先行事例と同じようなものができることでしょう。

ブライダル施設

少し変わったものとしては、ブライダル施設の提案がありました。
確かに、バラが咲く季節には園内でブライダル用の写真を撮っているカップルを見かけることがあります。
緑豊かで雰囲気の良い靱公園での結婚式は、人気が出そうですね。
「てんしば」や「JO-TERRACE OSAKA」にはこのような施設はないので、靱公園独自の施設として採用される可能性が高いかもしれません。

その他、宿泊施設の提案などがありましたが、これは「てんしば」にすでにあります。
「てんしば」の宿泊施設はゲストハウス的なものですが、靱公園というちょっとしゃれた場所柄を考えると高級なホテルなら需要があるかもしれません。
結婚式の後はバラ園を望むホテルに宿泊する。
そんな提案もありでしょう。

公園機能の改善

より便利で利用しやすい公園にするための提案です。
どのような提案がされたでしょうか?

広場の芝生化

広場の芝生化を提案した企業が複数ありました。
現状でもバラ園の小川がある付近が芝生化されていますが、もっと広大なものに整備するのでしょう。

今の芝生エリアは休日になると、小さな子供連れの家族がテントを張って混雑しています。
水遊びする子供を見ながら大人たちが持参したワイン片手に楽しんでいる姿なんても。
もし芝生エリアに飲食店ができれば、よりにぎやかなバラ園になるでしょうね。

先行事例の「てんしば」はその名の通り、天王寺公園の芝生という意味でしょう。
そしてこの芝生を整備したおかげで、天王寺公園の雰囲気ががらりと変わり、ファミリー層を呼び込むことに成功したのです。
その後の「てんしば」のにぎわいは皆さんの知るところですね。

公園のにぎわいには芝生の導入だ!と大阪市は考えているかもしれません。
この広場の芝生化は、かなり実現される可能性が高い提案だと思います。

東園と西園を結ぶデッキの設置

靱公園は東西に細長く伸びる公園です。
そして中央をなにわ筋が通り、東園と西園の二つに分断されています。
この分かれた二つのエリアの行き来がしづらい、というのが靱公園の欠点となっています。

そこで提案されたのが、東園と西園を結ぶデッキの設置案です。
面白い案だとは思いますが、単に横断歩道橋のようなものだとしたら、あまり利用されないでしょう。
階段の上り下りが面倒ですので、それなら少しぐらい信号を待とうとなりますよね。

横断歩道橋のような小規模なものではなく、道路を広く覆いトンネル状にしてその上のデッキを有効活用するような大規模なものならどうでしょうか?

これなら東園と西園の行き来に利用され、にぎわいも創出できるかもしれません。
なぜならデッキ上に飲食店を設置してイベントを開催するなどすれば、デッキを通る人が増えることでしょう。
つまりデッキを通ること自体を目的にすればよいのです。

しかしこの案の最大の懸念事項は、建設費用でしょう。
なにわ筋という6車線道路を覆うようなデッキの建設には、莫大なコストがかかるのは間違いないですよね。
さらに将来この道路の下には地下鉄が新設される予定ですので、色々と問題が起こりそうです。
したがって、東園と西園を結ぶデッキの設置案はかなり採用が難しいと思われます。

各種イベントの実施

さまざまなイベントを行って、にぎわいを創出しようという提案も多く出されました。

現在の靱公園においても1年を通して色々なイベントが開催されています。
バラ祭はとくに有名でしょう。
このようなイベントをさらにグレードアップして行いたい、というのが提案内容だと思います。

しかしこれには地域住民の理解が必要でしょう。
たとえばバラ祭は住民の有志が苦労に苦労を重ねた結果、毎年実施されているイベントです。
その他のイベントも、手作り感があふれるものとなっています。
それを新たに管理運営を任された民間企業が、住民から意見も聞かずに拝金主義でイベントを開催したらどうなるか。
失敗が目に見えていますよね。

イベントを行うことはとても大事で、公園のにぎわい創出に役立つことでしょう。
しかしながら地域住民との連携と協業なくしては成功しません。
この点を踏まえて、民間企業からは提案してもらいたいものです。

テニスコートの改修

靱公園といえば、やはり関西でも有数の規模を誇るテニスコートでしょう。
このテニスコートに関する提案もされました。

特に多かったのが、センターコートなど一部コートの全天候型化です。
屋根を設置したり、新たにドーム状の建物でも造るのでしょう。

確かにテニスは天候に左右されるスポーツですので、屋根付きのコートができれば大会運営などもしやすくなるでしょう。
特に近年、靱公園で開催されるプロのテニス大会は減少傾向にあり、全天候型化が実行されれば、歯止めがかかることだと思います。

しかしこれも建設費用が高くつきそうです。
この建設費用をどこから回収するか?
それはコート利用料になりますよね。

現在の靱公園のコート利用料は、一般コートで平日1時間1,600円ほどです。
設備の割にはかなり格安だと思いますが、この利用料が跳ね上がるのは避けて通れないでしょう。
この値上げが利用者に受け入れられるでしょうか?
難しいところです。

靱公園の未来予想図

今回の大阪市が募集した靱公園の活用案からは、それなりに実現性が高いものが提案されました。
これらの案について大阪市はまだ検討段階とのことですが、靱公園は近い将来、管理運営が民間企業に移ることだけは間違いなさそうです。

はたして靱公園の未来はどのようになるのでしょう?
民間企業からの提案から見えてくるのは、バラ園の周りの広場を芝生化し、飲食店を設置してイベントで盛り上げる、そんな未来でしょうか。

結局、「てんしば」や「JO-TERRACE OSAKA」と同じような既視感ある改革案が採用されそうです。
成功してにぎわいが創出されればいいのですが…。

しかしながら「てんしば」や「JO-TERRACE OSAKA」と違って、靱公園にはデメリットがあるのです。

それは周囲に巨大な集客スポットがない、ということ。
「てんしば」には天王寺動物園やあべのハルカス、「JO-TERRACE OSAKA」には大阪城という、年間何万人も訪れる集客スポットがあります。
そこを訪れた観光客などがついでに「てんしば」や「JO-TERRACE OSAKA」を利用して、互いに波及効果を生み出しています。

一方、靱公園の周りには特に目立った集客スポットなどはありません。
靱公園単独で集客しなければならないのです。

現状の靱公園を改修し、どれだけ魅力的な集客スポットへと変化させるか。
管理運営を任された民間企業は、けして楽な道が待っているわけではないでしょう。
「てんしば」や「JO-TERRACE OSAKA」と同じように、簡単に成功するとはとても思えません。
意外と靱公園の未来は暗いものかもしれませんね。

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