奈良の吉野山といえば、一目千本で有名な桜の名所です。
麓の下千本から始まり、中千本、上千本と続いて、一番山奥には奥千本があります。
桜のシーズンになると、大勢の花見客が押し寄せて、駐車場に車を止めるのも困難になるほどのにぎわいです。
細い道路には人があふれ、桜ではなく人を見に来たのでは?と後悔するほど。
そんな吉野山ですが、あまり混雑していない、心行くまで桜を堪能できる場所があるにはあるんです。
吉野山の桜のちょっとした穴場を紹介したいと思います。
如意輪寺からの眺めが絶景
「一目で千本の桜、そんな景色が見たい!」
せっかく吉野山に来たからには、噂の一目千本を体感したいですよね?
そこでおすすめするのが、中千本エリアにある如意輪寺のお茶処(花見座敷)です。
しかもここでは、桜が舞う夢のような景色をのんびりと楽しめる、とても贅沢な時間を過ごすことができるのです。
如意輪寺とは?
如意輪寺は平安時代に創建された寺で、南朝を樹立した後醍醐天皇の陵があります。
また、北朝と戦った南朝側の楠木正行が辞世の句を詠んだ寺としても有名で、南朝とゆかりがある寺となっています。
![如意輪寺の山門](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190414_141022-680x510.jpg)
境内はそれほど広くはありませんが、歴史を感じられます。
奥の坂道を上がっていけば、後醍醐天皇陵がありますので、南北朝時代に思いをはせて、参拝するのもいいでしょう。
では一目千本を見に、お茶処に行きましょうか。
お茶処は宝物殿がある庭園内にあります。
この庭園に入るには、観覧券が必要ですので、500円を払いましょう。
![如意輪寺の宝物殿・庭園の入口](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190414_140848-680x510.jpg)
庭園内は、樹木が数多く植えられています。
桜が咲く季節以外も、それぞれ旬の花が咲き誇る、きれいなお庭だと思われます。
![如意輪寺の庭園内の桜](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190414_140753-680x510.jpg)
入口から少し歩くと、宝物殿があります。
ここには、楠木正行の直筆と伝わる辞世の句が展示されていますので、気になる方は、ぜひご覧になられるといいでしょう。
![如意輪寺のカエル](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190412_123137-680x510.jpg)
この宝物殿の先にあるのが、今回おすすめするお茶処です。
桜の季節には、花見座敷の名で休憩場所を提供しています。
![如意輪寺の庭園内のお茶処(花見座敷)への入口](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190414_143233-680x510.jpg)
お茶処でのんびりしながら、中千本を満喫
お茶処の店内は、畳のお座敷になっています。
約30人ほどで満席になるでしょうか。
自由に選べて窓際の眺めの良い席を確保できましたが、混雑時は順に案内される方式だと思います。
![如意輪寺のお茶処(花見座敷)の店内の様子](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190414_143838-680x510.jpg)
お茶処のメニュー
しばらくすると係りの人が席に来ますので、注文しましょう。
メニューは以下の通りです。
・抹茶(600円)
ご住職手作りの葛菓子付き
・さくら葛おはぎ(600円)
桜餅風の和菓子
・くずきり(700円)
きな粉、黒みつ付き
・葛餅(700円)
きな粉、黒みつ付き
・さくらアイス(300円)
桜の季節らしく「さくら葛おはぎ」と、吉野名物の葛を使った「葛餅」を頼みました。
![如意輪寺のお茶処(花見座敷)のさくら葛おはぎ](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190412_125633-680x510.jpg)
「さくら葛おはぎ」は、小ぶりでかわいらしい。
桜独特の香りがふわりと漂い、中にはこしあんが入っています。
甘さもほどよく、山を登ってきて少し疲れた体にしみわたりました。
![如意輪寺のお茶処(花見座敷)の葛餅](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190412_125614-680x510.jpg)
「葛餅」は、関東にいたころはあまり食べたことがなかったのですが、関西ではよく見るような気がします。
特にここ吉野の葛は有名で、葛を使った土産物がたくさん販売されています。
というわけで、名物の葛を食べようかと。
一切れ口に含むと、弾力に驚きます。
やわらかいのかなと思っていましたが、意外とコシがあるのですね。
気持ちいのいい食感で、とても美味しい。
添付のきな粉と黒みつとの相性も抜群でした。
如意輪寺のお茶処の葛が特別に美味しいのかな?
今度、違う店でも食べて比べてみようと思うほど気に入りました。
それぞれに、桜の花びらが浮かぶ、さくら茶が付いていました。
桜風味の少し塩気のあるお茶です。
外に広がる一目千本だけでなく、口の中にも桜が舞いますよ。
心奪われる、一目千本の桜
お座敷でのんびりと和菓子を食べながら、中千本を堪能しましょう。
心奪われる絶景が広がっています。
![如意輪寺のお茶処(花見座敷)からの中千本](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190412_130133-680x510.jpg)
風が吹けば花びらが舞い、まさしく桜吹雪です。
京を追われた後醍醐天皇も、ここで同じような風景を見ていたかと思うと、不思議な感覚にとらわれます。
![如意輪寺のお茶処(花見座敷)からの桜風景](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190414_160401-680x510.jpg)
鳥のさえずりが聞こえる中、絵画のような風景に見入っていると、心が澄んでいくのが分かります。
ですが、あの小さい和菓子が二つで600円って高くね?という雑念が消え去るのに時間がかかったのはなぜでしょうか。
いや、とても美味しかったのですが…。
谷を挟んで見えるのが、吉野山で一番にぎわっている観光地化された場所で、お土産物屋や飲食店が並んでいるエリアです。
![如意輪寺のお茶処(花見座敷)からの眺め](https://trivia.kerokerofrog.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190414_160812-680x510.jpg)
如意輪寺のお茶処からは、心静かに一目千本を見ることができますが、向こう側の観光地エリアは花見客でごった返していて、騒がしいですよ。
ある意味、花見らしい雰囲気でよろしいのかもしれませんが。
人も多くなく穴場的スポットの如意輪寺
落ち着いた雰囲気の中で一目千本を体感したければ、如意輪寺を訪れるといいでしょう。
それも、庭園内のお茶処からの眺めが最高です。
吉野山の桜を見に行かれる際には、お座敷からのんびりと中千本を眺めることができる、如意輪寺をおすすめします。
如意輪寺
【住所】奈良県吉野郡吉野町吉野山1024
【拝観時間】桜開花期、7時~17時。他の時期、9時~16時。
【拝観料】境内は無料。宝物殿・庭園は500円。
【駐車場】桜開花期は1,500円(如意輪寺駐車場に止めるのは困難)。
【公式サイト】如意輪寺
お茶処(花見座敷)は全席禁煙です。
交通規制に注意!とんでもなく遠い駐車場に止めるなんて場合も…
桜が見頃のシーズン中は、交通規制が行われます。
3月末からゴールデンウィークまでと、結構長い間規制されます。
電車等で行く場合は関係ありませんが、車で行く人は注意が必要です。
普段は奥まで車で行けるのですが、この時期は通行止めになり、麓の駐車場に置かなければなりません。
それも好きな駐車場を選べればいいのですが、混み具合によっては、思いもしないような場所に止めなければならないはめになってしまいます。
吉野山に通じる手前の道路で案内している係員の指示に従って、指定の駐車場に止めなければならないのです。
運が良ければ、吉野山ロープウェイ駅近くなどの行動がしやすい駐車場になりますが、遠くの場所を案内された場合は、その分時間をかけて歩いていくことになります。
こればかりはどうしようもないので、それを踏まえて計画を立ててください。
一番遠い駐車場になった場合は、如意輪寺まで1時間程度かかるでしょう。
桜シーズン中の詳しい交通規制等については、以下の吉野町のサイトにて案内しています。
2020年観桜期の交通
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