妹はおかしい?探偵ナイトスクープ「妹に盗まれたネコのぬいぐるみ」を見て

関西では、絶大の人気を誇る探偵ナイトスクープ。
様々な依頼を探偵が解決しようとする番組です。

私は大阪に引越してきた関東人ですが、関東ではそこまで人気がある番組ではありません。
一応、関東でも放映はされています。

そんなナイトスクープですが、こっちに来てからよく見るようになりました。
そんななか、ちょっと気になる回があったので、色々と書いてみたいと思います。
4月19日に関西で放送された、「妹に盗まれたネコのぬいぐるみ」についてです。
番組の内容についてはこちら。
https://www.asahi.co.jp/knight-scoop/archive.html?datetime=20190400

所有権って何だろう?

この「妹に盗まれたネコのぬいぐるみ」の簡単な説明をしますと、依頼者が購入した猫のぬいぐるみを妹が勝手に自分のものにしてしまい、そのぬいぐるみを取り返してもらいたい、という内容です。
依頼者は自分に所有権があるのに、と憤慨しているようでした。

なぜ妹はぬいぐるみを自分のものにしたのか?
「姉より自分が持っていた方が、このぬいぐるみは幸せだ」というのが理由らしいのです。

一見、どうみても妹がわがままでちょっとおかしいのでは?と思うのですが、世の中で起きた事例で考えてみると「どっちが正しいのだろう?」と悩んでしまいました。

多分この番組をみた大多数の人は、妹は変人で困った人だと思ったことでしょう。
「姉が購入したぬいぐるみだから、姉のものだ」と当然に思っていませんか?
しかし、今から述べる事例を読んでみると少し見方が変わるかもしれません。

ちょっと極端な例で考えると、「あれ?本当に私は正しいのかな?」と自信がなくなることがあるんですよ。
そこで、「所有とは何か?」を今一度考えるために、2つの事例をもとに進めていきたいと思います。
思考実験の世界にご招待です。

児童虐待の事例

例えば、最近では子供の虐待で悲惨な事件がありました。
自分の小学生の娘にシャワーの冷水を浴びせたり、殴る蹴るの暴行の果てに、死亡させた事件がありましたよね?

一般的に、子供は親のもので、自らの教育方針や信条で育児をしていくことができます。
いわば子供の所有権を親が持っているわけです。
ところがその所有権にも限度があり、上の事件の様な場合には行政が関与して、子供を親から引き離し保護することができます。

虐待するような親がいる環境で育つのと、親元を離れ児童相談所で生活するのでは、後者の方が子供にとって幸せでしょう。

動物虐待の事例

また、散歩中の犬を何が気に入らないのか突然蹴り上げる飼い主が非難されることがありました。
スマホでこの動物虐待の様子が撮影され、結局、動物保護団体がこの飼い主から犬を取り上げることになったのでした。

普通、犬の所有権は飼い主にあります。
それを飼い主から奪う権限は、他人にはありません。
ですが、やはり所有権には限度があります。
犬を虐待するような人からは、剥奪しても良いということになっているのでしょう。
犬の立場からみれば、かわいがってくれる人に飼われた方が幸せのはずです。

ではもう一度「妹に盗まれたネコのぬいぐるみ」を見てみよう

はたして本当にぬいぐるみは姉のものなのでしょうか?

番組をみるに、妹はぬいぐるみを大事にしているようです。
一方、依頼者の姉は、ただ部屋に置いてあるだけでそんなに大事にしていなかった様子。
番組では分かりませんでしたが、もしかしたら、ぬいぐるみを雑に扱っていたのかもしれません。

あなたのその考えは絶対に正しい?

ぬいぐるみを大事にしているのは、妹。
単にぬいぐるみの所有権があると主張する、姉。

もう一度考えてみてください。
ぬいぐるみは誰のものにすればいいのでしょうか?
購入したからぬいぐるみを所持し続ける権利があるなんて、もういえませんよね。

上であげた児童虐待と動物虐待の事例を踏まえると、所有されていた側の幸せ、すなわち、ぬいぐるみの幸せを考えるべきです。
とすれば、姉から所有権を奪って、ぬいぐるみは大事にする妹のものにすべきという主張が正しく思えてきます。

いやいや、ぬいぐるみは「物」だから幸せなんて考えなくてもよい、と主張する人がいるかもしれません。
今回は、単にぬいぐるみだったからそう思うかもしれませんが、これが例えば、同様に「物」であるが歴史的に大変価値のある国宝級の仏像であったらどうでしょう?

姉は所有はしているけど、大変雑に扱っていて、貴重な仏像が今後どうなるか分からない。
それでも、そのまま姉に所有させておくべきですか?
姉から仏像を取り上げ、大事にする妹に保管をお願いすべきとは思いませんか?

とまあ色々考えてみると、今回の探偵ナイトスクープの妹を単純に非難できなくなるはずです。

所有するとは何か?所有される側の幸せとは何か?
この点を一度考え直してみると、世の中がちょっと違って見えてくるかもしれませんよ。

こんな風に別の視点から考えることがちょっと楽しいかも?と思ったあなた。
興味があれば以下の本を読んでみたらどうでしょうか。
おすすめします。